犬の病気 造血系の病気 悪性リンパ腫

悪性リンパ腫

悪性リンパ腫とは、体の免疫をつかさどるリンパ球が腫瘍化した病気で、血液がんの一種です。犬の場合は、体表の様々な部分にあるリンパ節が腫れる「多中心型リンパ腫」が最も多く、6〜7歳以上の中高齢犬によく見られる傾向にあります。レトリーバー系、ボクサーバセット・ハウンドセント・バーナードなどがリンパ腫になりやすい犬種と考えられています。

悪性リンパ腫の原因

悪性リンパ腫の原因は、まだ明確には解明されていませんが、遺伝が要因となっていると考えられています。

悪性リンパ腫の症状

悪性リンパ腫の症状は、発症しているリンパ節の場所により変わってきます。
・「多中心型リンパ腫」(あごやわきの下、足のつけ根のリンパ節に悪性リンパ腫が発症している場合。)
  ・・・患部リンパ節痛、元気の消失、食欲不振、発熱など

・「胸腺型リンパ腫」または「縦隔型リンパ腫」(胸腺のリンパ節に悪性リンパ腫が発症している場合。)
  ・・・呼吸困難、咳、チアノーゼ、食欲不振、胸水など

・「消化器型リンパ腫」(腸管などのリンパ節に悪性リンパ腫が発症している場合。)
  ・・・下痢、嘔吐、食欲不振、腹水、体重減少、倦怠感、脱水症状など

・「皮膚型リンパ腫」
  ・・・発疹や腫瘤、脱毛、食欲不振、倦怠感など

・「腎型リンパ腫」・・・下痢、嘔吐、腎臓機能不全、腎臓肥大、貧血、脱水症状など

悪性リンパ腫の治療

悪性リンパ腫の治療方法は、抗がん剤の投与が効果的です。ただし、強い副作用を伴う場合も多く見られるので、使用する抗がん剤は病気の種類を考慮した上で、一番負担の軽いものを選びましょう。

悪性リンパ腫の予防

悪性リンパ腫を予防するには、原因がまだ解明されていない病気なので、早期発見と早期治療が特に重要になってきます。悪性リンパ腫にかかりやすい可能性が指摘されている犬種を飼っている場合は、リンパ節(あごやわきの下、足のつけ根など)にしこりが出来ていないか、日頃からボディチェックを習慣づけましょう。